#09 メビウスの輪
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プリントしてきた関連書類を軽く整えながら、ドアをくぐる。
「佐々山、狡噛。捜査の許可が下りたぞ、至急捜査資料を……」
こちらを見る視線が、ひとつ多い。
「何だ、この子どもは?」
目を瞬いて問うと、何故か佐々山が眉を寄せる。
「とぼけるなギノ。」
とこちらを見る狡噛の顔にも浮かんでいるのは、同じく軽い非難。
「立場上隠しておきたかったんだろうが、それは人として許されない行為だぞ。」
「ま、待て何の話をしている?」
『この期に及んでシラを切るつもりですかぁ?』
白い目でこちらを見上げる佐々山の言に続き、狡噛が椅子に座して沈黙している少女を顎で示す。
「この子は、お前の娘なんだろう?」
「…娘…」
耳が拾った単語を、口が勝手に繰り返す。
こちらを見つめるあどけない顔から、呆れたような、いや、どこか生暖かい顔つきに目を戻す。
「娘!?」
『あんまり似てないですね。奥様似?』
見たことのない穏やかな表情に頷いた狡噛が、「そうかもな。」とまた静かに続ける。
「ば、馬鹿なことを言うな!俺に娘なんているわけないだろう!!」
「往生際が悪いぞ、ギノ。」