#09 メビウスの輪
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縢くんのデスクから拝借した飴を舐めるみきちゃんを見ながら、他人(ひと)のデスクに腰掛ける。
「…おい。」
眉根を寄せた狡噛さんが煙草を銜え、組んだ腕に頭を預けた。
「しかしアイツに隠し子とはなぁ……。」
火の点けられていないそれが口先で、上下に揺れる。
『意外ですよねぇ…部屋にもそんな、女の気配なんてないんだけどなぁ。』と顎に手をあて、詳細を思い出す。
「お前、そんなにギノの家に入り浸ってるのか。」
『いや、オフが重なることって滅多にないですし……あ、でもそういえば冷蔵庫に…いや、意外に甘党だからな…関係ないか。』
もしかしたら、自分のいない日を狙って逢瀬を重ねているのかもしれない。
「……アイツも男だからな。あまり調子に乗ってほいほい上がりこまない方がいいんじゃないか。」
『あはは、確かに。それにお邪魔しちゃ悪いですもんね。』
軽く弾みをつけて床に降り立ち、プラモデルに手を伸ばそうとしているその名前を呼ぶ。
『お父さんのこと、好き?』
こくり、と小さな顔が、縦に振られる。
「うん、大好き。」
「……そうか。」