#09 メビウスの輪
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アラウンド30の男女二人にやっていた視線を、再び戻す。
『そっか、みきちゃんて言うんだ。私、光。』
真っ直ぐな視線に自然な笑顔を誘われながら、自身の髪を指し示した。
『髪、一緒だね。』
「……ママが、やってくれたの。」
『ママが?いいなぁ~。』
「光ちゃん。」
『…あ、はい?』
降ってきた呼びかけに顔を上げ、膝を伸ばす。
「後、任せるわ。」
『え!?』
「よっろしくぅ~」とウィンクを投げて後ろ手を振るその背中に、足を踏み出す。
『ちょ、唐之杜さ――
ひたっと足に触れた掌に、視線を下げる。
『………あ、っと…』
さすがに苦労して笑みを浮かべ、その背後の狡噛さんと、昨日以来数時間振りに目を合わせる。
若干気まずげな視線がややあって逸れ、その腰がかがめられる。
「みきちゃんのお父さんって、どんな人だい?おじさんと比べて、背は高いのかな?」
『…おじさん、ですか。』
「………」