#09 メビウスの輪
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「やっほー」と笑って手を振る唐之杜さんに、いじっていた携帯を下ろす。
とその向こうで、狡噛さんがふいっと視線を逸らすのが見えた。
『……珍しいですね、唐之杜さん。何か用事ですか?』
「それがねぇ…」
その足元からそそがれる視線に気づき、目を瞬く。
「子どもがこんなところに一人で来るなんて、何か特別な事情がありそうで面白そー。…とか思ったんだろう。」
手にした煙草を灰皿に放った狡噛さんに、「やあねぇ慎也くん。善意よ、善意。」といささか怪しさを帯びた美しい言葉が並べられる。
「だったら一係のデカ部屋にくる必要はないんじゃないか?」
うふふと艶めかしく、かつ可愛く笑うお姉様に密かに息を吐きながら、膝を折る。
『こんにちは。』
同じツインテールだが、やはり若さとはかくも絶大な効力を発揮するものだ。
つぶらな瞳に笑いかけ、口を開く。
『お名前は?』
「……みき。」
「なぁに~!?アタシが聞いてもちっとも教えてくれなかったのに…なぁんでこんな小娘に…」
「声に出てるぞ、志恩。」
『………。』