#08 Bump
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その目に湛えられた光は、さっき見たジャンキーの瞳の奥に見えたそれと似て、否なるもの。
もっと荒んででぎらついた、強い光だ。
枠だけになった窓を見やり、知らず眉を顰める。
『しかもまだ犯罪係数を測定していない人間を……』
そう口にした直後降ってきた嘲笑に、顔を戻す。
「こっちが殺されるよりはいいだろ。」
『…否定はしませんが、肯定もしかねます……秩序は、維持されるべきだと思いますから。』
「お前がそんなことを言うとは、意外だったな。」
紛れも無く自分に向けられた蔑みに、眉根が寄るのを自覚する。
『…そうですか?』
「汚点、瑕疵、不要なモノ…言い方は何だっていい。[不完全なもの]全てにホロを被せて誤魔化して保つ秩序に、何の意味がある?いくら[無いモノ]としたところで、それは[在る]んだ。」
先ほどの殺意、然り。
と言う事だろう、それは、解る。
『それは仕方の無いことです。運営システムがどうであれ、生きているのが人間であれば「だから守られるべきだった。自分を殺そうとしたさっきの奴も。なぜならそれが秩序――人間性だから、か?」
声音と共に苛烈さを増していく眼光に問われているのは、都市の真価か。
「…ご立派だな、大した人類愛だ。」
それとも。