#08 Bump
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唇を真一文字に結んだ佐々山が指差した方を見て、眉を顰める。
<警告。爆発物と思しき反応をキャッチ――構造解析を開始します。終了まで、脅威度更新を保留。>
落ち着き払ったドミネーターの声に、『え!?』と怒声混じりの反応が返る。
こちらに歩み寄ってくる男の黒いベストに何本も差し込まれているのは、恐らくプラスチック爆弾。
爆発する仕組みも、その規模も現状分からない――
開いた距離が10Mを切った瞬間思考を定め、床を蹴った。
一気に間合いを詰めてその腕を掴んで関節を極め、落とす勢いを横方向へと力を流す動力に変える。
「――らあっ」
「!?」
やけにくっきりと見えた、窓ガラスの向こうの驚愕の表情。
その姿が消えた直後轟いた派手な音を追いかけるように、劇場全体が揺れる。
一斉に吹き飛んだ窓ガラスから頭を庇った佐々山が顔を上げ、口を開く。
『む、無茶苦茶です!投げる途中で爆発したらどうするつもりだったんですか!!』
「どうせぼんやり眺めてても爆発したさ。こういうのは、一瞬の決断に生死がかかってくる。」
非難を含んだ眼差しに真っ先に覚えたのは、苛立ち。
足元で音をたてたガラス片をさらに靴裏で、踏みにじった。