#08 Bump
夢小説設定
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「………」
隔離区画の出入り口前に護送車を引き連れた、覆面パトの窓が下りる。
中から怪訝そうにこちらを見上げるギノに、軽く片手を上げてから縢のケツを蹴る。
「って!」
「…何してたんだ?」
『え?あー…映画鑑賞です、映画鑑賞。』
と背後で交わされる会話を聞きながら、後部ドアをくぐり、装甲バンに乗り込む。
とっつあんと六合塚がいないにも関わらずいつもの場所に座る縢に小さな笑いを誘われながら、自分も定位置に着く。
「この時間から八王子…ったく戻り何時だよ…。」
軽口が、分厚いドアが下りる音にかき消される。
身体の下で動き出したタイヤの動きを感じながら足を組み、壁に背を預ける。
「非番にも関わらず緊急招集に即対応。執行官の…いやいや大人の鑑だね。」
「…そりゃどーも。」
間を挟んで届いた微かな、微かな笑い声。
「光ちゃんてさ、笑うとけっこー可愛いよね。なんか、ガキくさくて。」
黙して目を閉じたままいると、また。
「そう思わない?」
「……どうだかな。」