#07 狂王子の帰還
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<人間にできて、動物にできないことは山ほどある。>
目を眇めた宜野座さんに、金原が目に見えて焦りを浮かべる。
<そのうちの一つが安全制御だ。人間はどんなものにでも、安全装置を付けてきた…執行官にも監視官という安全装置が付いている。君が操ったドローンには特に厳重な装置が付いていた……絶対に安全だった筈のドローンに、殺人行為を実行させたメモリーカード…>
静まり返った取調べ室内に、汗の落ちる音だけが、響く。
<君はどこで入手した?>
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「八王子のドローン事件で金原が使ったセーフティキャンセラと、御堂のホログラフクラッキング…まあどっちのソースコードもほんの断片しか回収できなかったんだけど」
言葉を切った唐之杜さんに目を向け、続きを待つ。
「明らかに類似点がある。同じプログラマーが書いたって線に、あたしは今日着けてるブラジャーを賭けてもいい。」
「いらねえよ!」
と、縢くんが間髪入れず突っ込んだその時、視界に飛び込んできた人影。
自動ドアを半ば無理矢理に手動で開けた光ちゃんが、頬を紅潮させ、肩で息をしながら顔を上げる。
『す、すいませ……遅く、なりました…っ』
しんと落ちた沈黙に、ファンの回る音。
ここまで走ってきたためか、やや乱れ気味の髪は洗いざらし感丸出しだ。
加えて
「……なんか今日、化粧薄くない?」
首を傾げて指摘した唐之杜さんに、その掌がこちらに向けられる。
『――時間なかったんですっ!あんま見ないでっ……下さい!!』
「あホントだ、眉毛薄っ。」
『るっさい!』