#07 狂王子の帰還
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「え……?」
だらしなくソファの背で仰向けていた縢くんが、眠たげにこちらを見る。
「だって、そうじゃね?潜在犯の家族っしょ?しかも兄貴あんな風に殺されてさ、普通の奴よりサイコパスクリアカラーってどーなのよ?おかしいでしょそれ。」
グラスを駆け上る細かな泡がたてる音が、いやに耳につく。
「光ちゃんの……お兄さん……なの…?」
「何、朱ちゃん知らねえの?」
目を瞬いた縢くんを、見返すことしかできない。
「一係のメンバーはみィんな知ってるよー…。出戻りで厚生省の基準パスしたヤツが来るっつーからどんなんかと思えば、あらびっくり、ってね。」
そんな
「そんなの……知らなかった…。」
「ま、わざわざ言うことでもないっか」と軽い口調で明るい髪が乱暴にかき回される。
確かにそれは、その通りだ。
それは、わかる。
それが勁さと、言われるものであることも。
だけど
「とにかくそれでコウちゃん犯罪係数ブッちぎっちゃってぇ、あの事件迷宮入りって話だけどー未だにコウちゃん調べ続けてるらしいよぉ?」
「………そう、なんだ………」
光ちゃんを見る、あの眼差しを彩る色の一つが、ようやく、わかったような気がした。
狭間を揺らがせる、感情の名前が。