#07 狂王子の帰還
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「ううん、何でもない。」
「まあ、こういうイケナイお楽しみも今じゃオレらの特権てワケ。」
「でも光ちゃんも好きみたいだよ?お酒。」
ちょっとキメてみたつもりの指先が、かくりと折れる。
盛ったばかりの料理に手を伸ばして口に運び、顔を輝かせた朱ちゃんに気を取り直し、胸を張る。
「うわ、おいしい!」
「これが本物の料理ってもんさぁ。…てコラコラ!酒のつまみだって言っただろー。」
「ケチ。」
「それとも朱ちゃん試してみる?」
「え?」と目を瞬く様に、ワインボトルを掴む。
「オレも酔ったら口が軽くなって喋っちゃうかもよ?」
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「だってよぉ~オレが採用された時にぁもコウちゃん監視官下ろされてたからさぁ~」
纏わりつくような暖かさに体を、ソファに投げ出す。
「詳しいことはよくわっかんねーし。何かその時コウちゃんの部下だった執行官が殺されちまったって話だけど。」
「殺された?」
「そぉ。犯人追っかけてた筈が逆に犠牲者になっちゃったのさ。佐々山…名前は忘れたけどぉ、他の被害者と同じ手口で、そりゃもうひどいモンだったらしいよ?」
口にしてから、大して回っていない頭で考える。
「ホント、光ちゃんてさぁ、何で監視官なんてできてんだろ。どー考えても、ありえねぇだろ。」
落ちた沈黙に、頭を上げた。