#07 狂王子の帰還
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眩暈がしそうなほどに熱い身体に、顔が歪むのが、わかった。
声なく吐き出されるコエをただ、聞いていることしかできない。
額にかかる湿った吐息に、自分も息を、することしか。
だけど
だけどこれじゃ、どこへも
どこからも――
瞬間、僅かに動いた肩に無我夢中で振りほどいた手を伸ばし、押し返す。
途中から重さを感じなくなっていたことに気づく余裕すら、なかった。
射していた影が消えるのと同時に、足を引いて膝をたてる。
受け止めることも
追いかける、ことすらできずに。
助けを求めるように巡らせた視線とぶつかったのは
『………』
言葉は、出てこなかったけれど。
向けられた境界の色をした瞳に、目の端が変な風に動いたのが、わかった。