#07 狂王子の帰還
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控えめに室内を見回した視線が戻ってくるのを見計らって、その前に目を伏せる。
『……何て言うか、結構…その…綺麗ですね。』
落ち着かないのは、部屋の空気に混じる仄かな香水のせいか。
「散らかるほど、物もないからな。」
煙草に火を点けようとして、思い止まる。
征陸さんに聞いたら――
「…今、何時だ?」
興味深げにサンドバッグに手を触れさせた佐々山が、振り返る。
『あ、え…と12時26分です。』
その目を見返し、ひとつ瞬く。
『何か?』
「……いや。」
にこりと笑って髪を揺らすのに、踵を返す。
「シャワー浴びる時間くらいはあるな。」
『あ、はい全然…!すみませんなんか……』
背中で聞きながら、ネクタイを緩める。
「適当に座って待ってろ、すぐ戻る。」