#01 犯罪係数
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<ユーザー認証。佐々山光監視官、公安局刑事課所属――使用許諾確認。適正ユーザーです。現在の執行モードは、ノンリーサル・パラライザー。落ち着いて照準を定め、対象を無力化して下さい。>
両手で提げた武器から流れる早口な説明を聞き終え、目を瞬く。
焦点を合わせた端から滲むようなこの退廃的な雰囲気は嫌いではないが、饐えたような臭いには、顔が歪む。
「だいじょぶ?」
『はい。ええと…』
横目に見上げると、「ああ」とその顔が綻ぶ。
「オレ、縢秀星。んであっちの怖~い顔したお姉さんは
先行する細い背中が振り返り、柳眉がつり上がる。
「しっつれーい…キレーなお姉さんは、六合塚弥生。」
『宜しくお願いします、縢…さん。』
「縢でいーって。あ、光ちゃんて呼ん「いつまで喋っている。」
後ろからかかった声に大仰な仕草で肩をすくめた縢くんに思わず口元を緩めると、大きな瞳がひとつ瞬く。
抜けるような笑顔を残して足を速めるその後姿を視界に入れながら、辺りを見回す。
そこかしこに感じる人の気配に目を向けて、また視線を戻した。
「……あまり驚いてないみたいだな。」
『別に珍しい光景じゃないです、ステイツでは。』
先輩に対する口調ではなかったかと振り返ると、眼鏡の奥の瞳とかち合う。
さっきは試されたから、今度は試してやろうかという悪戯心とも呼べない子ども染みた発想を打ち消し、笑いかける。
『まさかこの国でも見ることになるとは、思いませんでしたけど。』
「…なるほど。」
額に当たった雨粒に、頭を振った。