第六章
夢小説設定
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五
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隙間を吹き抜けていく風を見送った目を、向ける。
『ごめんね。』
その足元に落ちた、灰に。
いつまで経っても上げられない顔に笑み、手を伸ばす。
『青柳さんには今朝、ちゃんとお礼言って出てきたから。後は…ああ、そうだ。格好いい同僚さんに、宜しく。』
伝わってくる体温と想いで満ちた、微かな振動。
ひとつ目を閉じて立ち上がった、瞬間。
「………」
押さえつけるように掴まれた腕に、目を落とす。
何も言わずただ、待った。
分かり合えてるかどうかなんて、分からない。
だけどただ、知っていたから。
『………ちょうだい、それ。』
視線を絡ませたまま、掌を上向ける。
『体に悪いから…』
「………」
『周りの人の。』
微かに緩んだ目元に知らず目を細めながら差し出されたモノを、受け取る。
知って、いるから。
「とかなんとか言って自分が吸うんだろ?」
『違うんだよ』
離れていくのを見送る事が出来る、自分を
貴方を。
『お兄ちゃんとは。』
優しい、貴方を。
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