第二章
夢小説設定
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三
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「本気なの……?」
掠れた母の声に思わず押さえた胸の下。
ドクンという音が、響くように伝わってきた。
「…光留は……あの子は…あの子だって、私達の「なんだ」
父の声に含まれる苛立ちと、焦燥。
母の薄い肩越しにぶつかってきたその衝撃に、後ずさる。
痛かった。
心とかではなく、身体が
とても。
「私達のなんだ!?」
私でさえ、こうなら
「…私達の…」
私にだって、分かるのに。
弱弱しい声に込められる訴えかけるような色が父の感情をさらに、煽る事くらい。
どうして、分からないんだろう。
分からない…
本当に?
「まだ分からないのか!?もう違うんだ…もう、いないんだ」
どれほど
「――いらないんだ!!」
握った手に力を込め、踵を返す。
早く早くと、引きずるようにして駆け上がる、階段。
横目で見た、空っぽの部屋。
暗い
昏い穴のようにぽっかりとがらんどうな、黒。
何かに追いかけらている感覚を振り切るように、上へ。
上へ、上へ――
上へ。
飛びついたドアノブを回し、中へ飛び込む。
階下から聞こえてくる声はもう、父のものだけ。
『―――』
思わず零れた呼びかけに応えはない。
まるで最初から、そうだったみたいに。
まるで、最初から――
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Are you still...here?