第八話
夢小説設定
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「――呼ばれてとび出て」
両開きの窓を、捲簾が乱暴に開け放つ。
「ジャジャジャジャーン♪、てな。」
「…歳がバレますよ、捲簾。」
「――やっと出てきおったか謀叛人どもが。」
見下ろすと、額と右目を包帯に覆われた李塔天が進み出てくるのが見えた。
「西方軍・天蓬元帥、同じく捲簾大将!!」
『あら、私は加えていただけないのですか?』
場違いな感情を含んだよく通る声に、階下がざわめく。
「焔珠貴女…」
「子供じゃねんだからよ…」
思わずこめかみに手をやってため息を吐くとむっと眉を顰められ、その向こうの捲簾に笑われてしまった。
「焔姫様。」
視線を投げた焔珠が、瞳を眇める。
「その者たちを庇い立てするのであれば、いくら貴女様とて責は免れませんぞ。お母上や伯父上にも御迷惑がかかりましょう…その辺りも弁えて『お黙りなさい。』
呑み込まれるような深い色合いを宿した双眸に捉えられた李塔天の顔に、瞬間畏れが奔る。
『弁えるべきは、どちらか。』
無条件に他人を屈服させる性質を孕んだ声音に思わず喉を鳴らした時、掠れた様な笑い声が響いた。
「よかろう…」
やるべき事は決まっている。
一度その手を掴んだ、あの時から。
「不浄の幼児を庇い幾多の兵をその手にかけ、人質まで捕りて籠城せしは天界への反乱であると看なす!」
あとはただ離さず、走るだけだ。