第八話
夢小説設定
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閉じたドアにひとつ目を閉じてから振り返り、小さな額に手を載せる。
「う……」
苦しそうに息を吐く悟空を見ていると、名を呼ばれた。
「…何だ。」
「貴殿と言葉を交わすのは、これが初めてかもしれん。」
「…俺は軍事の方には関わっていなかったからな。」
「ならば何故軍に楯突く。」
背中を向けたまま黙っていると、微かなため息が聞こえたような気がした。
「斉天大聖を庇い立てしなければ、貴殿には約束された地位もあったであろう。」
「――別に」
汗を拭った布を掴み、冷水に浸す。
「気に入らんものは気に入らんと言う事にしただけだ――たとえそれが、どんなにデカい相手だろうとな。」
「焔姫を、巻き込んでもか。」
ぽつりと呟かれた言葉に振り返りかけ、止める。
「彼女を巻き込んでまで、自ら望むことを果たすか。」
――金蟬
――金蟬、大丈夫?
蘇る幼い声が
応える、自身の声も。
――大丈夫
知らず口元が、綻んだ。
――大丈夫私が、手伝ってあげる
「……ああ。」
望む事は多分、きっと。