第八話
夢小説設定
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声が、聞こえた。
悲鳴、怒号、次いで微かにまた、建物が振動する。
「―――お、あちらさんも仕掛けてきたか。」
手袋をつけながら窓の方へと目をやった捲簾に、先生が読んでいた本を閉じた。
「まぁ単なる挑発でしょうけどね。」
『顔を見せに行きますか?』
「……楽しんでますね、焔珠。」
『少しだけ。』
呆れた様な、困った様な笑みに返して立ち上がる。
「金蟬、悟空を頼みますね。」
「ああ――気をつけろよ。」
最後の言葉は、自分に向けられたものだった。
『ええ。』
閉じたドアにひとつだけ息を吐き、すぐ傍で待っていてくれた先生を見上げる。
「行きますか?」
お願いだから
そんなに優しい目で、私を見ないで。
どうしてこんなにも嬉しくて
悲しくなるのか考えたくないの。
だからただ、手を取って。
伸ばしたこの手を取って、ただ引いて。
そうしてくれたなら私は
『はい。』
きっと奇麗に、笑ってみせるから。