第七話
夢小説設定
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響いた悲鳴を合図とするかのように、小柄な影が地を蹴った。
「…ど、どうなってんだこりゃ……おい金蟬!?」
「金鈷が…」
呆けたように呟いた金蟬を見上げた焔珠の目がその視線を追いかけ、指さす。
『額にあったあの金鈷が、悟空の妖力制御装置だと…!』
「…悟空の妖力が瞬間的に高まった事でそれが壊れた…と言う事ですか。」
「――じゃああれが、悟空の本当の姿だってのかよ…!!?」
目を見開いたまま立ちつくすその背に手を伸ばそうとした焔珠が、中途でその動きを止めた。
血濡れた掌を握りこんだその横顔に、眉を顰める。
「…以前ものの本で読んだことがあります。」
その方向を見据えたまま口を開いた天蓬を見て、自分も視線を移す。
夥しい死を作り出していく、その姿に。
「人でも妖怪でも…ましてや神でもない。混沌の象徴と呼ばれ伝説とされてきた、天に等しい力を授かりし存在――斉天大聖。」
伏せていた顔を上げた悟空の金晴眼が、広間の一点に留まる。
「う…あ、あがッ」
悶える兵士の声が耳障りであったのか、無造作にその顎を蹴りあげた足がそのまま一歩踏み出す。
その視線の先にいるのは、未だ哪吒を抱えたままの李塔天だ。
「ひッ…ヒイイイイ!!」
「うあぁああ!!」
「ど…何処へ行く!私を護らんか、この腰抜けどもが!!」
ばねのように飛んだ悟空が、一瞬で迫る。
「うおおッ!!」
「ばッ……」