第壱話
夢小説設定
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『……小黎…文轩…李芳……小狼はない、か。』
「誰の子で『きゃあっ!?』
突然背後からかかった声に、本を抱えて飛びあがる。
『せ、先生…驚かさないで下さい!』
「失礼。で、誰の子です?」
『え?』
女性のような笑みに、つられて微笑む。
「僕の子…じゃあないですよね。」
首を傾げたその顔を見つめるうち、顔に熱が集まっていくのが自分でもわかった。
『あっ、あああ当たり前ですっ』
「冗談ですよ。」
くすくすと笑いながら部屋を横切っていくのを視線で追いかけながら、密かに手で顔を仰ぐ。
『それも、当たり前です。』
「おや、そうなんですか?」
『え?』
「いえ、いいです。今のはちょっと…いいです。」
こほっと空咳をしたその背中に首を傾げつつ、手にしていた本を書棚に戻す。
「ああすみません、僕もそれ。知り合いに子どもができた…というか来た、というか。」
『本当に?私もそんなところなんです。』
「奇遇ですねぇ。」
『それにしても先生。』
「はい?」
題字から目を離し、顔を上げる。
『なぜこんなものを……?』
「趣味です。」