第六話
夢小説設定
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その体の二倍以上はあるだろう大刀が振るわれるのを見てとり、緋炎を握る手に力を込めた瞬間だった。
「下がれ、焔珠!」
入れ違いに進み出た捲簾の広い背が、打たれたように波打つ。
「貴女の剣では無理です!悟空を…!!」
聴覚が飛んだ一瞬後に襲ってくる筈の衝撃が一向にやってこないことの意味を理解して、悟空を抱く腕に力を込めた。
「天ちゃ――
自分の肩越しに背後を見つめる悟空の瞳が大きく見開かれ、泣き出しそうに歪む。
温かな液体が首筋を流れて一滴落ちていくのを見送り、背後を振り仰ぐ。
「大丈夫ですか?」
急に薄く膜が張ったようになった視界をなんとかし、頷く。
『この場を離れます。私たちがいたのでは「ケン兄!!」
うずくまる様にして倒れた黒い長身に、先生の目が見開かれるのが見えた。
「ケン兄ちゃん!」
「……逃げろ悟空…ッ」
「ヤダッ」
「悟空!!」
捲簾の怒声が、やけに遠くで聞こえた。
床を蹴る様にして跳んだ哪吒を迎えるように立つ、小さな背中。
――お名前を、教えていただけますか?
――え、っとね…
――何照れてんだ
こちらを見上げた黄晴眼に手を、伸ばす。
『悟空!!』