第六話
夢小説設定
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「――丁度その頃からですね、下界に異様な数の大妖怪達が頻繁に出現しだしたのは。」
すでに許容限界ギリギリといったカエルの口内を見ながら、新しい煙草に火を点ける。
「当然天界軍の出陣も大幅に増えました――正直我々の手には負えない程度に。」
「……そんな時計ったように現れた新たな闘神太子が哪吒、というわけか。」
「ええ、以降の彼の活躍ぶりは貴方も知る処でしょう。」
「…ちょっと待て。今の説明で一番大事な処が抜けてないか。」
「仕方ないでしょう。ここまでは僕が聞き及んだ分、ここから先は僕の憶測です。」
色を変え始めた日の光を眺めてから、灰を落とす。
「天帝と上層部トップの機密となっている哪吒の正体ですが…恐らく李塔天が造り上げた人造人間――兵器と言ってもいいでしょう。軍の中でも真しやかに流れている噂ではありますが神と妖怪の混血児――だと。」
「…許される筈がない。」
「許されてるんですよ。それ程までに天界は闘神を欲していたんでしょうね。ただその状況を造ったのが李塔天本人だと僕は踏んでますが。」
従兄妹といえど、やはり育つ環境によって思考回路は驚くほどに変わってくるものらしい。
「……な…んだと…?」
「可能性としてはかなり高いと思いますよ。急増した出陣、補いきれなくなった軍、そこに現れた闘神――タイミングが良すぎませんか。」
「――確かにな」
「李塔天は天界上層部に恨みを抱いています。彼の最終目的は定かではありませんが、今の地位を脅かす――闘神となりうる悟空の存在を本気で消しにかかるでしょうね、哪吒を用いてでも――「それ……なんだよ?」
「悟空……!!」
「なんだよそれ、俺のそんざい消すって…ウソだよね――哪吒が俺をって」
言い終わる前に踵を返した悟空が、パタパタと響いてきた足音と真正面からぶつかる。
『――きゃ、悟空!?』
「悟空!!」
その手から離れて落ちた本を見ようともせず、飛び出していく小さな背に慌てて立ち上がり、駆けだす。
「待ちなさい悟空!!」