第五話
夢小説設定
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「ちょっと捲簾、しっかり歩いて下さい。」
「歩いてる歩いてる~」
千鳥足とはまさにと言った風な捲簾を支える先生がため息を吐いてその肩をかかえなおす。
『酔うほど呑まなければ良いのに。』
「酔ってねえ酔ってねえ~」
「はいはい。」
少し前を歩くようにして、目についた石を避ける。
『そこ、気を付けて下さいね。』
「…お酒だけじゃなく色んなものに酔っちゃったんだと思います。」
『色んなもの…ああ、桜にですか?』
「そうですね、あとは……貴女とか。」
その言葉に振り返り、思わず笑う。
『酔いました?』
「いいえ。」
にこりと微笑した先生に少しだけ困って顔を戻すと、そこは白い壁だった。
『きゃ』
どんっという衝撃によろめいた瞬間、腕を掴まれ転倒を免れる。
『も、申し訳ございません。』
金色の虹彩の中の黒い瞳孔が眇められ、直後小さく見開かれた。
「三の姫……!?」
『あ、ええと…はい。』
「このような夜分に何故こんな処に……」
その目が自分の背後を見やった瞬間、刺すように鋭いものに変わる。
「貴様等……」
「今晩は。」
穏やかな声が、ひどく場違いに響いた。