第五話
夢小説設定
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「――で、揃いも揃って何だその風体は。」
「いやぁ、年甲斐もなくプロレスごっこなどを少々。」
「男前が上がったろ?」
片目を瞑ってみせた捲簾に至っては、その頭と腹に大げさな包帯が巻かれている。
「嘘をつけ。また何かやらかしたんじゃねぇだろうな、悟空。」
「え?えーっとね…内緒だから知らない。」
眉を下げた天蓬の横で、捲簾がわざとらしく口笛を吹いて明後日の方向を向く。
「…まぁいい。あまり悟空を妙なことに巻き込むなよ、ただでさえあまり歓迎されてないんだ。」
書類の縁を揃え、椅子から腰を上げる。
「――そういやお前達なんで今日はここへ?」
「ああ、忘れてた。さっき軍に召集がかかってな、哪吒太子が下界から戻ってくるらしい。」
「えッ、哪吒帰ってくんの!?行く!!」
「そう言うと思ったぜ。お前も行くか金蟬?」
「いや、俺は書類を観音に届けに行かなきゃならん。」
「だって。ね行こ、行こ!!」
「はいはい。」
賑やかに出ていく2人を追いかける天蓬の背に向かって呼びかけると、肩越しに頷かれる。
「…判ってます。悟空と哪吒太子があまり親密になるのは危険だと言うのでしょう?」
「………」
「確かに、哪吒の父――李塔天は喰えない男です。野心家なだけで取柄は何もありませんけどね。」
ふっと目を伏せて口元を緩めたその顔が、扉の方を向く。
「僕らはきっと、望んでしまっているんでしょうね――」
呟くような声を乗せた風を追って見上げた蒼が、やけに柔らかく映った。
「……ふん。」