第四話
夢小説設定
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抱えた白衣からは、微かに煙草の匂いがする気がするようなしないような。
『やはり染みついてしまうと、なかなかとれないものなの……?』
慣れてしまうとわからないものなのだというのはどうやら本当のようで、遊びに来ていた姉には嫌な顔をされてしまった。
『そんなに…』
顔を近づけると真近で見上げた優しい笑みが思い出され、慌てて遠ざける。
『ふ、深い意味はないんだから…ただ簪を取って下さっただけで別に……』
周囲を見回すが、人影はない。
ほっと息を吐いて足を踏み出すと、目の前を淡い色が過る。
廊下を吹き抜ける風が、熱を持った体に心地良かった。
ややあって軍服を着た男性が3人、向こうから歩いてくるのに気付き『すみません』と声をかける。
「は………な、何か?」
『第一小隊の方でいらっしゃいますよね?先…天蓬元帥は自室におられますか?』
「あ…元帥は今さっき……」
顔を見合せるその様子を見て、首を傾げる。
『どちらかへお出掛けですか?』
「あ、はいまぁ…そんな感じです……」
『そうですか。有難うございます。』
背中に感じる視線を不思議に思いつつも角を曲がり、見慣れた扉の前に立つ。
『………』
ひとつ息を吐いてからそっとドアを押すと、予想通り鍵はかけられていなかった。
『相変わらずぶよ――
飛び込んできた光景に、目を瞬く。
振り向いたその顔を見た瞬間、胸に抱えていた白衣がどさりと音をたてて足元に落ちた。
「おう、お前か。」