第四話
夢小説設定
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「…いででで」
ガタンという音と共に響いた声に、頁を繰る。
「バカ、苦しいっつの!!」
「構いませんよ、悟空。思いっきり締めてあげて下さいね。」
「ほどけないよーに」と付け加えると、「うんっ」と張り切った返事が返ってくる。
「てめぇ何か俺に恨みでもあんのか!?」
「恨みだなんてとんでもない。むしろ同情を禁じえませんね。」
訝るような視線を感じながら、本を閉じる。
「他人の事を気遣って無謀にも天帝に公の場で進言して、肋骨折れる程の体罰を受けながらへらへら笑っていられる――そんなおバカな軍大将に仕える部下達に。」
「あーあー、悪うございましたねおバカで。性分なんだからしょーがねーだろ。」
「わかってますよ。そんな貴方だからついてくる部下もいるんです。」
けっと子供の様に顔を背けた捲簾に、悟空が瞬きを繰り返している。
金蟬と##NAME1##に要らぬ心配をかけるような事を言わなければいいのだがと、ぼんやりと思う。
「しかし李塔天を敵に回したのは失敗です。先程貴方に大将解任令が下されました。」
「……へー。」
「へー、じゃないでしょう全く。僕は貴方程お人好しにはなれませんからね。エゴで言わせてもらえば」
自分の中に湧きあがってくるものを抑えるべく、ひとつ息を吐いてドアノブに手を伸ばした。
「誰の下でも働けるほど器量良しじゃないんですよ。」
「天蓬…」
「――ちょっと出掛けてきます。怪我人はそこで大人しく待ってて下さいね。」
「ちょっ…おい!!ションベンしたくなったらどーすんだよ!!?」
「膀胱炎になったら看てあげますよ、それじゃ。」
閉めたドアに背を預け、ポケットを探る。
「……………ああ、良かった。」