第壱話
夢小説設定
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「――お久しぶりでございます、菩薩。御多忙のところわざわざ…「能書きはいい。下界からあの幼児を連れてきたんだろ?」
視線を向けると、二郎神が口元を手で隠すようにして声を低めた。
「実は本日、茶会の予定が入っておりまして…」
「崑崙でな。」
にやりと笑ってつけたした観音に、二郎神が慌てたように口を開く。
「焔珠様からのお誘いではございません!何故かさっぱりわかりませんが、西王母様からお声がかかったのでございます。」
「……そうか。」
「ぶっ、動揺してやんの。」
「ばっ誰が――「で?」
まんまと乗せられ、唇を噛む。
「は…東勝神州は傲来国、花果山山頂の精髄たる仙岩より生まれし異端の妖にてございます。」
「岩から生まれた…?」
「ああ。――つまり人間でも妖怪でもない、大地が産んだ生き物さ。」
「それがその…かなり強暴でして「――放せよッ!!いてーってばッ、ひっぱんなよ!?」
「うるさい!おとなしくせんか!!」
響いた怒鳴り声に顔を上げると、ジャラジャラと何かを引きずるような音が耳に届く。
「何か食わせてくれるっつったじゃん、うそつきー!!」
ぺたんと床に座り込んだその姿に、目を瞬く。
少年と言う表現もまだ追いつかないくらいの小ささだ。
確かに動物…しかも野猿と言ったところか。
そんな風に思った時、大きな瞳がこちらを向いた。