第四話
夢小説設定
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視線が逸れていくのを感じ、ほっと息を吐く。
当然あの野郎も本館に向かう途中だろう。
後で聞く羽目になるであろう小言を思うと煩わしいが、一緒に居た女が西王母の愛娘であると知られるよりはまだマシだ。
なんとなく熱を感じて見下ろすと、微かに赤く染まった耳が見えた。
『け…捲簾?そろそろ離れていただきたいのですが……』
必死に我慢してなんとか動揺を隠そうとしているその声音に、喉の奥で密かに笑う。
「ん……もうちょい……」
絹の様に滑らかな肌に指を這わせると、押さえた腕がぴくりと動く。
それに煽られてさらに身体を近づけると、甘やかな匂いが絡みつくように香った。
「………」
黒髪の落ちかかる白い首筋に意識を集中させた、瞬間。
「うぐっ!?」
みぞおちに入った衝撃に腰が折れ、倒れ込む。
『…………武勇は誠だった様ですね、捲簾大将?』
降ってきた声に顔を上げると、すっと眼前に鮮やかな赤が突きつけられる。
『崑崙だけでなくこちらでも、貴方ははとても有名みたい。』
にこやかに微笑む焔珠に後ろ手をついたまま、何を返すことも出来ず。
『私と他の女子とを、同じに思わないで下さい。』
――あんまりナメない方が良いですよ。
『次はありませんよ?』
穏やかでない言葉と共にチャッと音をたてて喉元に位置をずらされた長刀に、顎を引く。
「……イエっさー…ちなみに…」
『はい?』
「それって、真剣だったり?」
『抜いてみましょうか?』
「………結構デス。」