第参話
夢小説設定
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<――…かかる事態を招いたるは全て――…>
天帝の傍に侍っている文官達が、階下に目をやって眉を寄せるのが見えた。
<あえてその――…>
「何事だ。」
短く問うた母に、女房が口元に手をあてて眉を下げた。
「何やら、広間の方で暴れ始めた輩がいる様です。」
『喧嘩……?』
「分かりませんが、恐らく。」
首を伸ばすようにして目をやると、成る程遙か下方で人々が同じ方向に体を向けているのが見える。
「なかなか楽しい余興だこと。」
呆れたようにそう言って目を閉じてしまった母を横目で伺いながら、腰を上げる。
「焔珠様。」
窘めるように名を呼んだ侍女を無視して欄干に手を添える。
「あまりお姿を晒すのは……」
『わかっています。』
不自然に割れた人垣に目を凝らした瞬間、声が漏れてしまった。
「##NAME2##?」
『いえ、何でもございません。』
不審そうにこちらを見つめる視線に気付かない振りをしつつ、席に戻る。
『歎かわしい事ですね、天帝の御前で……』
「心にも無い事を言うのはお止しなさい。」
ぴしりと言って顔を戻した母の眉が不快そうにひそめられる。
「金蟬童子の姿がないようね。楽しそうな顔をして…品性を疑うわ。まぁ、何です?お前まで同じような顔をして。」
『火事と喧嘩は江戸の花、と言う言葉はご存知ですか?母上。』
「何ですか、それは。」
『ふふ。』