第参話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
<この地に争乱が発して既に久しい――…討魔伏滅は天意である!忠実な臣下たる――>
「あれー金蟬どこだぁ?」
辺りを見回してみるが人の海で、すぐ先すら見えない。
「はぐれたらまた怒られちまうッ、えーと…こっちかな?」
奔りだそうと体の向きを変えた瞬間、目の前に影が落ちる。
「うわ…ッ」
咄嗟に手をついて見上げると、男の眉間に皺が寄った。
「何だァ、この汚ねェガキ。」
「ウロチョロしてんじゃねえよ!」
「――何だよッ、今そっちが先にぶつかって来ただろ!?」
「――あ?」
眉を寄せていた男の目に、自分の姿が映る。
「おいこのガキ金晴眼だぜ。」
「本当だな、じゃあこいつが例の?」
頭の上で交わされる会話の意味がわからず、目を瞬く。
「外界から連れてこられた異端の生き物か。」
「あの偏屈で無愛想な金蟬童子がこんな素性も知れぬ子供を寵愛してるとは…色への無関心ぶりも御稚児趣味の賜物だったという訳か。」
くくっという笑い声に、足を振り上げる。
「いッ…!!?」
「――お前今金蟬の悪口言ったろ!?あいつを悪く言う奴は俺、許さねぇかんな!!」
「~のクソガキ…!!」
顔を歪めて拳を引いた男に、思わず目を瞑った。
「…………?」
いつまで経ってもやってこない瞬間を不思議に思い、恐る恐る閉じていた目を開ける。
「…貴様は」
そう呟いた男と正反対の表情が自分の顔に浮かんだのが、わかった。