第参話
夢小説設定
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「三の姫?」
「ああ、崑崙の。西王母の末娘らしい。」
「へぇ、それはまた高嶺も高嶺だな。」
<――静粛に、静粛に!天帝のお言葉ですぞ!!>
浮かれたようなざわめきが、少しずつ静かになっていく。
席の方に投げていた視線を戻そうとして首に痛みを覚え、思わず手を添えた。
「悟空、天帝の口上の間は静かに…」
一瞬の半分くらいの時間だけ、脳内を疑問符が飛び交う。
「――あのバカ猿…!!何所に行きやがった!?」
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「哪吒、退屈そうだな。」
思考を、読まれたのかと思った。
「――いえ、そんな事ありません父上。」
振り返って見た父の顔に浮かぶ表情に、目を伏せる。
「…いいか哪吒――よく見ておくがいい。いずれ私があの天帝の場に立つ。その後を継ぐのはお前だ。」
「……」
体中を奔る、粟立つような感覚。
嫌で嫌で
「――判るな?」
たまらないのに
視線の先では、たくさんの人々が笑い合い、言葉を交わしている。
そこに自分が混じることを想像することすらできない、手摺の向こう。
「…御意。」
手を伸ばすことも叶わない、自由な世界。
笑みを浮かべて壇上に進み出てきた天帝が、大きく両手を広げた。