第参話
夢小説設定
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「あふあああ。」
「…観世音菩薩、露骨すぎますぞ。」
「だって退屈なんだもんよ。何であんなヒヒジジイのお誕生日会に出なきゃなんねーの。」
首を鳴らしながら見ると、階下の壇上ではようやっと準備が始まったところだった。
「大体この宴自体如何に天界人が自分に忠誠を誓ってるかを再認識したいだけだろ、欠席不可の分際で笑わせやがる。」
「~……ああ、御覧下さい。崑崙のお方々がお着きになったようですぞ。」
巡らせた視線の先には、他とは明らかに異なる煌びやかな一団。
その先頭を行く淑女の目がちらりとこちらを向き、見事なまでの露骨さでもって逸れていく。
「あのババアも腹ん中じゃ同じ事思ってんだろうさ。わざわざこんな処まで、ってな………?」
返答がないことを不審に思って振り仰ぐと、二郎神がだらしなく相好を崩していた。
「………聞いてんのかおい、二郎神。」
「勿論聞いておりますとも。しかし目が勝手にあちらへ…御覧下さい、焔珠様のなんとお美しいこと。」
向かいの部屋の席に腰を降ろす西王母の、その後ろ。
控えるようにして立った女を見た瞬間、思わず笑いだしそうになってしまった。
胸元の大きく開いた衣装は目にも鮮やかな紅色をしていて、晒した肌の白さが眩しい程だ。
そして高く結いあげた艶やかな黒髪には、意匠の凝った豪奢な簪。
一分の隙もなく飾り立てられたその様はまさに、と言った感じなのだが。
「いつから帯刀が認められるようになったんだ、この宴は?」
「は………」
目を瞬いてこちらを見た二郎神が、視線を戻す。
ややあって引き攣ったその口元を見て、喉の奥から笑いが漏れでてくる。
「今年は、面白い出し物が拝めそうかもな。」
「………。」