第弐話
夢小説設定
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「ああそーいや、観音が預かったっつーチビに会ったわ。」
「悟空にですか?」
問いかけると、その見るからに軽薄そうな風体に似合わない表情がその顔に浮かぶ。
「金色の瞳っつーのは俺も初めて見たが、とてもじゃねぇが異端な生き物にゃ見えなかった。」
――悟空
慈しみに満ちた声で名を呼ばれた小さな顔に浮かぶ、嬉しそうな笑顔。
笑い合う姿を見る友人の顔を見た時、なんとも言えない心持ちになったのを思い出す。
そこに浮かんだ表情に抱いたのは、不純物を取り去って類すれば完全に正反対な場所に位置しあうであろう、二つの感情だ。
「あんなちっけぇ子供が80kg程もある枷を付けられてよ、そこまでする必要があるってのか?」
「……天上人は異端者に優しくありませんからね。表向き排除も出来ないから拘束に留まるんでしょうが――ある意味同じですね…哪吒太子と。」
面白くなさそうな顔を見ていると、吸殻が白衣に落ちた。
「灰皿……」
足元にあった筈のそれがいつの間にかない。
「なぁ、天蓬お前さ。」
「はい?」
立ちあがって机の上を引っかき回そうとすると、奇麗に畳まれた白衣に手が触れた。
なんとなくまだ、暖かさが感じられるような気がして知らず微笑む。
「三の姫って知ってる?」
「……………………え?」
「だぁから西王母の一番下の娘だよ。焔姫…つったっけ、そんな名前。」
「………いや…あ、っと!」
本を取り落としそうになり、それはなんとか掴んだが口に銜えた煙草の方は間に合わなかった。
「おい火事になったらどうすんだよ、ったく危ねぇなぁ。」
「………スミマセン。」