第弐話
夢小説設定
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「焔っ」
駆け寄ってきた小さな体を抱くようにして止め、ほっと胸を撫で下ろす。
『何をしてるの、こんな所で?さっきすれ違った兵が何やら騒いでいて…』
「哪吒探してたんだけど、迷っちゃって……あの兄ちゃんが助けてくれたんだ。」
『え?』
指差した方向に目をやると、軍服をだらしなく着崩した男がこちらに歩み寄ってくる。
その眼に好奇を見てとって咄嗟に悟空を背に隠し、居住まいを正す。
『………この子を助けていただいたようで、礼を言います。ありがとう。』
「いや、助けたっつーか。なァ?」
ひょっと顔だけ出した悟空に向けた笑みは意外にも人懐っこく、どこか大きな子どものような印象を抱かせる。
口に銜えた煙草が、ひどく不似合いに思えた。
「アンタ、西王母の三の姫だろ?コイツの保護者かなんか?」
あまりな口調に一瞬唖然としかけたがなんとか持ち直し、顎を引く。
『………貴方は?』
「これは失礼を。」
そう言って小さく笑った男が、すっと膝を折って拳を地につけた。
「無作法を、お許し下さい。」
不覚にもその流麗さに見惚れてしまい、こちらを窺う切れ長の眼に慌てて眉を寄せる。
「西方軍・西海竜王配下、軍大将・捲簾と申します。」
『軍…大将?』
思わず繰り返すと、男が目を伏せて頷く。
「は。まさかこのような処で崑崙の姫君にお会いできるとは恐悦しご「ねーねー焔ー」
「『………』」
「哪吒ん家、知ってる?」