第弐話
夢小説設定
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「――なあお前何でここにもぐり込んだんだ?観音の城とは別館だろうが。」
新しい一本を取り出しながら尋ねると、興味深そうに辺りを見回していたその眼がこちらを向く。
「うん…でも、この間哪吒に会ったのがこの舘だったんだ。だからここに来ればまた会えるんじゃないかなと思ったんだけど。」
「ナタク…って哪吒太子のことか?」
「うん、友達なんだ!!」
「………」
「この間会った時俺まだ名前なかったから、ちゃんと教えなきゃって。」
「殺人人形に友達…ね。」
「え?」
「いや、こっちの話。哪吒なら今は地上に出てるぜ。」
「えー?いないの!?」
「今日明日には帰って来るさ。その内また遊びに来れば…!?」
抱き上げようとした手が逆に下に引っ張られ、たたらを踏む。
「…お前、ムチャクチャ重くねえ?」
「え?あ…うん、コレ付けてるから。」
差し出された左手首で、ジャラと重たい音が鳴った。
それと同じものが、右の手首、両の足首を戒めているのを見て、目を見張る。
「この枷――ひとつ20kgくらいあるってことか…!?」
落ち着きなく地面を蹴った足は、自分の膝を越すか越さないかといったくらい。
「?」
不思議そうに首を傾げてこちらを見上げる金晴眼を、唖然として見返す。
「お前一体…『悟空!!』
焦りを含んだ声に振り向いた瞬間、またも目を見張ることになる。
「焔だ!」
嬉しそうな声を上げて駆けだす小さな背を、茫然と見送った。