第弐話
夢小説設定
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――こいつが会いたいって言うから……。
「思い出し笑いですか?」
『です。』
さわさわと花を揺らす風が、心地良い。
常春の世でも、その時の気分によって景色はずいぶん違うものなのだと、今さら気づいた。
『それにしてもびっくりしました。まさか先生と金蟬がお友達だったなんて。』
「お友達って程でもないんですけどね。あ、そうだ名前は?何て言うんですか?」
『とても好きみたいなんです、自分の名前を誰かに知ってもらうこと。』
『だからそれは、会った時に』と言って見上げると、少し高い位置にある顔に奇麗としか言いようがない微笑が浮かぶ。
「わかりました。」
『あ、そう言えば白衣、気付きました?』
「……………スミマセン。だけどそう言えば同僚が何か言ってたかもしれません。珍しーな、とか。何のことを言ってるのかわからなかったんで無視しちゃったんですが、ああそうか、その事言ってたんだ。」
照れたように頭を掻く姿に笑い、抱えていた本を持ち直す。
『いいえ、私が勝手にやっていることですから。』
「でも怒られたりしません?どこの誰の…というか何の服だ、って。」
『特には……あ、だけど、臭いが移るから別にいたしますと言われました。私は全く気にならないのに。』
「それは貴女が慣れちゃったからですよ。悪い傾向です…って僕が言うなって感じですけど。」
『ふふ。確かにあの匂いがすると、なんだか先生が近くにいるような気がして。あ、でも今日は少し違うような……銘柄?でしたっけ、たくさんあるのですね。』
「………焔珠」
『はい?』
歩みを止めて振り仰いだその顔に、目を瞬く。
「…………いいです、やっぱ。何でもないです。」
『?』