花篝
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ふわりと香った甘い匂いに瞼を押し上げると、たった今まで見ていた顔が真近で微笑んでいた。
『このような処でお休みになっていたら、お風邪を召されてしまいますよ。』
「それ…なんだか、前にも言われたような気がします。」
『そうでしたか?』
吸い込まれそうな程に深い色をした大きな瞳が、自分を映して細められる。
「焔珠……」
『はい』
優美な弧を描いた桜色の唇は、夢で視たまま。
右手を上げて触れたその頬の、感触も。
瞼を開け続けているのが辛くて、端から意識が沈んでいく。
薄闇の中に響いたため息のような笑い声に、すでに自分が目を閉じてしまっている事を知る。
『軍服も、白衣と一緒にお洗濯しなければなりませんね。』
触れた手に伝う暖かさを逃したくなくて、再び名を呼ぶ。
『…はい』
その笑みが、篝となるように。
また貴女に
『お休みなさい。』
すぐに――