最終話
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洞内に満ちる冷気と、微かな緑の匂いを感じながら、歩を進める。
「…………いったい」
声無く散らばる鈍い、金の破片。
「いつまでそうしているつもりだ?」
扉の前、石のように蹲って動かぬ、小さな身体。
「…金鈷が外れたのが幸いしたな。」
天界で過ぎた数日が
「お陰で天界軍は今のお前に手出しができないとよ。アイツら、斉天の力は嫌ってほど見せつけられてるからな。それ以前に」
下界ではどれほどの月日に相当するだろうか。
「普通の身体ならとっくに衰弱死してただろうさ……それとも」
言葉を切り、膝を折る。
「それがお前の望みか、[悟空]」
何かを確かめるように
「[斉天大聖]などではない[空を悟る者]――悟空」
何か、眩しいものでも見るかのように
「金蟬が与えた、それがお前の名だ。」
柔らかく、抱くように
「…お前には分かっている筈だ。何故いま……自分が生きて下界に辿り着けたのかを」
呼んでいた。