第壱話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「悟空…」
後ろから聞こえた声に振り返り、目を瞬く。
「悟空、だ。」
繰り返されたその単語が、体に直接響いてくるようだった。
「短くて簡単だから、猿頭でも覚えられるだろ。」
「…うん。」
こちらを向きもしない金蟬の顔は、全然見えないけれど。
「ごくう…」
くすぐったいような嬉しさに、頬を掻く。
「えへへ。そっかぁ……俺、ごくう、かぁ。」
「………。」
「ね、どーゆー意味?どーゆー意味?」
ベッドに飛び乗り、その肩をゆさゆさと揺さぶってみる。
「うるさい、もう寝ろ!!」
「なんだよケチー…あ、ねぇねぇ!昼間会った姉ちゃんは何て名前!?ねぇってば!!」
少しの間を挟んでから、「自分で聞け」という素気ない応えが返ってくる。
「そーだな、そーする!ねぇ、今度はいつ会える?すぐ会える?」
「………知らねぇよ。」
金蟬もキレーだけど、それとは違うキレーだった。
優しくて暖かくて、良い匂いがして。
「なぁってばー「うるせぇな、知らねぇんだよ俺も!!」
がばっと起き上がってそう言った金蟬に、ややあって首を傾げる。
「……もしかして、金蟬も会いてぇの?」
ぐっと黙りこみ、再び布団にもぐりこんだその背中を見て、なんだかものすごく、嬉しくなった。
「じゃー会いに行こーよ!どこに住んでんの、なぁっ!知ってる?金蟬ーなぁってばーっ!!」