第十七話
夢小説設定
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『…蟬っ……金蟬!』
苛立ちを滲ませた声に、眉根を寄せる。
『金蟬!』
目を開けると、案の定小さく頬を膨らませて腰に手をあててこちらを睨むその姿があった。
『またそんな顔をして…一体何度呼んだと思います!?』
「るせェ――
――退屈だ退屈だって、子どもみたい。
言いかけた瞬間、ふわりと届いた台詞。
「………焔?」
名を呼ぶと自分を見下ろすその顔に、澄んだ笑みが浮かぶ。
『ほら』
柔らかな黒が映す、間の抜けた男の面
『立って、早く。』
差し伸ばされた白い右手に顔を下げ、喉の奥から漏れ出す声を、噛み殺す。
『金蟬』
「うるせェな」という言葉が、引っかかって出てこない。
『……わかったんでしょう……?』
優しげな声音に
『なら、行かなくちゃ…』
頷く事しかできない俺を
『貴方は』
手を伸ばすことしかできない俺を、讃えるような微笑みに
――……生きている