第十七話
夢小説設定
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鳴り響く音を追いかけるように、カタカタと金蟬の指が忙しなく動く。
「何でだ……?」
「……金蟬…」
「クソッ…!!」
「――金蟬!!!」
振り返りざまに身を強張らせた金蟬に添うと、向けられた矢先が僅かに動く。
「………!!!」
「あと一歩のところで――」
扉の影から現れたその姿
「残念でしたなぁ金蟬童子。」
「………」
「パスワードはすでに書き換えさせて頂いた。もう貴殿に扉を開く術はないですぞ。」
額に汗を浮かべた金蟬がそれでも、真っ直ぐに見据える。
「――遥か昔、この次空ゲートを創設したのは我が一族…その代々の技術を受け継いだ私には造作もない事だ。さすがの天蓬元帥もそこまでは御存知なかったようだ。」
カツコツと近づいてくる杖音から、掌に伝わる暖かさに逃げる。
「そう…当時天帝は我が一族の絶大なる功績を讃えず、それどころか我らが権力を握る事を恐れ、天界での位を利用し一族を衰退へと追いやった――これは報復なのだよ。」
「我が一族の技術力の結晶とも言える[哪吒]を闘神太子に据える事で生温い秩序に浸ってきた天界人すべてに対して幕を開けた、いわば復讐劇だ。」
「そんな事の為に……」
「――そんな事?」
喉を鳴らした李塔天が、その顔を歪めた。