第壱話
夢小説設定
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「勝手にウロチョロするんじゃねぇ!余計な手間かけさせやがって!!」
「……ごめん。」
『金蟬』という優しげな声に俯けていた顔を上げると、深い色をした瞳と目が合う。
『あまり怒っても可哀相よ。きっと、遊んでいる内に迷ってしまったのでしょう。』
「……手間かけさせてることには変わりねぇだろ。」
『子どもとは、そういうものです。』
ふんと鼻を鳴らしてそっぽを向いた金蟬を眺めていたらいつの間にか、目線が一緒になっていた。
『あの紙飛行機、とてもよく飛びましたよ。』
「――だろ!?あれ、今までで一番うまくできたんだ!」
『ええ。良い紙だからかしら、とても長く飛ん「おい」
思わずその背に隠れると、柔らかくて、良い匂いがした。
『本当にすごかったわよね?まさか川向こうまで飛ぶなんて。』
「……とりあえず戻るぞ、いつまでもこんなとこに――」
弾かれたように同じ方向に目を向けた2人に、首を傾げる。
「何?」
『行って、金蟬。』
「…………悪い。」
『気にしないで。こんな大げさな格好をしてきた介があったというものです。では、また。その時に自己紹介と……あと、あの飛行機の折り方を教えて下さい。』
その笑みにつられるようにして首を縦に振ると、金蟬に「行くぞ」と手を引かれた。
シャランと奇麗な音に振り返ると、夜と同じ色をした瞳がふっと細められる。
「ま、またなッ!」
『ええ、また。』