第十三話
夢小説設定
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「――おっ」
大粒の赤を撒き散らしながら倒れた巨体に、足元が揺れた。
「とっと……と。」
よろめいた体に、視界がつられる。
「……あー」
壁に背を預けながら探った懐から目当てのモノを引っ張り出し、口に銜える。
「……こんな時にも煙草か?」
たゆたう紫煙を揺らがせた声に、喉の奥で笑う。
「――こんな時だから」
煙の匂いが、良く香る。
「尚更旨いんじゃねーか、竜王敖潤」
――どっちが引いても、恨みっこなしと言うことで
「……よォ、やっぱり来たな。」
散乱する屍に目をやるその顔に、隠しきれない嫌悪が混じった。
「………――これが[哪吒太子]の正体なのか。」
「……ああ」
「お前達が謀反を起こしたのはこれを知っての事なのか?だとしたら何故上層部に直訴しなかった。」
「別に、これが理由ってワケじゃねぇよ。よしんば知ってたからって言った処でどうなる?」
「……許される事ではなかろう、このような不浄――」
らしい物言いに失笑しようとして失敗したのは、脳裏に蘇った、赤色。
ヒトとして生きることを望んだ少年の、苛烈な最期。