第十話
夢小説設定
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『……ふざけないで』
怯えを露わにする悟空を隠すようにした焔の瞳が、怒りに揺れる。
『何故こんなものが天帝城の地下にいるのです!!?』
黙したままの暗色の長衣を纏った小柄な影を睨めつけていた天蓬が、微かに息を吐く。
「…やはりそういう事でしたか。」
「……?天蓬お前」
「話したでしょう金蟬、一時期から下界にこういったものの出没が増えたと。」
「ここにいる奴ら――それぞれ姿形は違うが、今まで俺ら天界軍が封じてきたモンと同じだ。」
擦るような笑い声が、フードの下から零れ落ちてくる。
「さすがは西方軍元帥と大将、お察しが早いようだ。」
「以前から、不自然さは感じていましたから。」
――闘神の不在が続いた時期、急激に増えた魔物の出現・下界への出陣令。
――タイミング良く李塔天が連れてきた哪吒を、天界は手放しで闘神にあてがった。
「全ては李塔天が今の地位を手に入れる為に仕組んだって事ってか。」
「李塔天が……というのは、少々的外れだな。」
「…?」
「それは我々の計画の一環だ――貴様らが謀叛を起こした事で、若干進行が早まったがな。」
「…我々……?」
「―― 一体何者だ、てめえ。」
それぞれの武器を持ち直した天蓬と捲簾が漂わせた不穏な空気を、嘲笑うようにその腕が上がる。
「私の名は賀孟。李塔天の同志、そして――」
深く落ち窪んだ両眼に宿る、獣めいた光。
「ここにいるナタク達の管理者だ。」