第十話
夢小説設定
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「――大丈夫か、悟空!!?」
「がはッ!!」
風切り音をたてた焔珠が、宙吊りになった二人を見つめて胸に引き寄せた緋炎に縋りつく。
『金蟬、身体を少しでも揺らせる!?』
「……いや……難しいかもしれん」
「………」
赤銅色のワイヤーが、さらに深い色で濡れているのを見て、狙点を定める。
『……捲簾』
「それでワイヤーがもてばいいけど……」
こめかみに伝った汗を腕で無理矢理に拭い、口を開く。
「このままってワケにもいかねえだろ―― 一瞬耐えろよ金蟬!!」
トリガーを引いたのとほとんど時を同じくして、金蟬と悟空ごとワイヤーが大きく揺れる。
「――そのまま徐々に反動をつけて!向かいの階段に飛び移るんです!!」
「……ッ」
タイミングを合わせて放り出された悟空が、身を反らせる。
「うわッと」
「よくできました!」
天蓬がその腕を取って声をかけたが、正直気が気ではない。
「クッ……」
『……金蟬!!』
ブチブチと音をたてて切れていくワイヤーに、息を呑む。
「金蟬―――ッ!!!」
伸ばした手に伝わる、重すぎる程の重さ。
「――ったく、手のかかる親子だぜ。」
「……うるせえ。」