第十話
夢小説設定
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伸ばした指先が握り込んだものに唇を噛み、吹き荒れる風の中反対の手を宙に伸ばす。
「―――――――………ッ!!!」
灼熱の痛みが、掌から全身を駆ける。
それでも
『金蟬ッ』
それでもこの傷みと引き換えに得られるものが
「ワイヤーが……止まって金蟬!!」
あるのなら――
「――ッうおおおお!!!」
逆に引きずり込まれるような感覚に襲われた直後、落下の勢いが止まる。
「待ってろ、今……『捲簾!』
打つような声に次いで銃声が反響したが、そちらにかかずらっている暇はないとでも言うように音は遠かった。
「こ…金蟬!?」
下から響いてきた大声にも、やはり同じ。
「何やってんだよ!!?」
「……御挨拶だな。」
なのになんで
「~いいよ、放せよッ!!金蟬が…金蟬まで落ちるだろ!!?」
「――暴れんな、滑るぞマジで。」
「だって……ッ「一緒に落ちるのと二人で助かるのと、どっちがいい。」
なんで、笑ってんだろうな。
「~でも!!」
「何やってんだ……か、確かにな。自分でもよく分からねえんだ――けど」
それでも。
「放さねえよ、掴んだものはもう何ひとつ。」