第十話
夢小説設定
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凄まじい轟音が、足下の階段を通して僅かに揺れを伴って伝わってくる。
「…すげぇ音だったな。」
そう呟いた金蟬が、物珍しそうに横目に底を見下ろす。
『落ちたのはかなり下でしょう?響くのですね…』
同じような表情で首を伸ばすその姿に苦笑し、軽く袖を引く。
「足元気をつけて下さいね。ここ滅多に使わないんで、だいぶ老朽化してますから。」
「どうしたのケン兄?」
「…だから嫌だっつーの……」
動物が唸るような言い方に、思わず吹きだす。
「……もしかして、高所恐怖症ってヤツか?」
『そんな図体をして……おかしい。』
「図体かんけーねェだろが!!」
鈴音を思わせる笑い声が反響し、「~クソ高い所だけは本能的に好かねぇんだよっ」と言い訳にもなっていない内容の大声がその後を追いかけていく。
「でも木登りは得意じゃん?」
「そりゃ、着地できる高さならちっとも――」
中途で切れた言葉に、眼鏡を押し上げる。
「…また随分大勢で上がって来そうですよ。」
「上からも沢山来る……!!」
「どうするんだこんな足場で!?」
「――いたぞ!」
「謀叛人どもだ!!」
「……こーなりゃ『ヤケですね。』
捲簾と同じく、笑いを禁じ得ない。
「どのみち前進しか――ねえからな!」