第十話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「悟空、もうちょっと押せません?」
「んっ……あ、開いたっ」
ガランという音に、金蟬がよろめく。
「いってェんだよこの猿!!」
「真っ暗だっ!?」
天井から降ってきた呻き声に、「あんまり動かないで」と苦笑した天蓬がこちらを振り向く。
「じゃ金蟬先行って下さい。その後が僕、で焔珠を引っ張り上げますんで宜しくお願いしますね。」
「りょーかい。」
危なっかしく天井裏に消えた長身を見やりながら、傍らに手を伸ばした、瞬間。
思わず目を向けてしまって後悔したが、掴んだ手に力を込める。
細い腕が軋む程の、強さ。
「……大丈夫か?」
こんな風に問うてしまえばその意味もなくなると、わかってはいても。
わかって、いるのに。
『………重いわけですね、貴方の刀。』
唇を噛みしめて喉を嚥下させて、そうまでして作り出した歪な笑顔に、微笑してやることしかできない。
「行くぞ。」
『はい』
抱きあげた身体は、馬鹿みたいに軽くてつい、また力を入れ過ぎてしまう。
「おっ前見かけによらず重てーな!」
『―――んな…口には気をつけなさい捲簾!!』
「はいはい、喧嘩しない喧嘩しない。」
ほわりとした笑みに、顔を見合わせる。
ややあって繰り出されたグーを掌で受け止めて握り、今度こそちゃんと、笑ってやれただろうか。