第九話
夢小説設定
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「……たく馬鹿野郎ども…ッ!!」
吐き捨てるのに失敗して、喉に引っかかったような、声。
「――――天蓬!!」
片手をついて右に流した体、逆さになった視界に円雷が映る。
「うぉおおおお!!!」
両手で握った刀から伝う、肉を断つ手応え。
掠れた呻き声を、どさりという音がかき消す。
「――最後の命令です。」
血液を吸った刀身を下げ、息を吸い込む。
「全員殺しなさい!!」
空々しい音が響き、紅の鞘が黒のそれを追いかけるように床を転がる。
そう、もう要らない。
「今ここで貴方がたの姿を見た者、一人たりとも残してはなりません。聞こえましたね!?」
応じる声に背を向け、片手を上げた。
「ハイ、よろしい―――行きますよ!!」
「あ、でもそしたらコイツら全滅させたの元帥と大将だけの武勇伝になっちまうじゃないスか!!」
「逃がすなッ」
踏み出した足は、軽い。
「殺せェ!!」
「ははッ、ケチくせー事言うなっつの!!」
飛沫いた軌跡が、時の雨となって白衣を染める。
「がはッ」
倒れゆく体が噴き出す血潮の向こう
その、向こうへ。