第九話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おおおおおっ」
声を上げながら突っ込んでいった男の槍先が、空を切る。
無造作な歩運びは見ていてかなりあぶなっかしいが、当の本人はそれ程切羽詰まっている様子でもない。
「――逃がすなっ、殺しても構わん!!」
「でりゃあ!!」
「うぉッ!!?」
悟空に足払いをかけられた男が派手に転倒し、羞恥に歪んだ顔を上げた。
「このガキャ……ぶべッ。」
「突き当たりの扉だ、金蟬!!」
その声を背中で聞きながら、無機質な廊下をただ走る。
「早く来いッ――悟空!!」
「おうッ!!」
自分の二倍以上はあろうかという男を蹴倒した悟空の背を、そのすぐ後ろを走ってきていた焔珠が軽く押し出す。
「――待たんか!!」
最後に飛び込みかけた天蓬が、振り向きざまに柄頭を突き出す。
「ぐぼッ」
「入れ天蓬!!」
扉の閉じる音がした瞬間、思わず膝に手をついてしまった。
「大丈夫か?金蟬」
「……ああ」
やっとのことでそれだけ返すと、傍らにいた捲簾が前に出る。
「――どうやら休ませちゃくれないみたいだぜ。」
「え?」